英文を読む、ということは、受験英語でもお馴染みの領域ですので、日本人からすると比較的取り組み易い分野であると思います。英語が苦手という人も、読むだけならなんとか、という人も多いかもしれません。
しかし、英文を読むということに関しても、実用レベルの読み取りを目指すとなると、実は意外と楽勝というわけではないのです。
英語の長文を読むには慣れが必要
おそらく、多くの人にとって、英語を読むだけであれば、辞書を活用しながら時間をかければできないことはないと思います。
しかしこの時間をかければ、という部分が非常にネックなのです。
例えば、英語のドキュメントを1ページ読むのに何十分もかかるようでは、通常のニュース記事ひとつ読むのにすら時間がかかりすぎてしまい、途中で面倒になって投げ出してしまうことでしょう。
ましてや、読むのが遅ければ、冊子になるような分量の多い英文を読んだりするのは苦痛でしかないはずです。
実用レベルで英語を読めるようにするためには、英文の意味の正確な読み取りも必要ですが、それと同じくらい読むスピードというのも必要になるのです。
洋書を読んで読解スピードを速める
英文は、素早く大量に読めるようにすることが重要です。
この能力向上に効果的なのは、洋書を読むことです。
洋書を一冊読み切ることができれば、英文の読み方が大分変わってきます。
初心者に最適な洋書「Holes」
私のオススメの洋書は、Holesという小説です。ネット上でも初心者向けの洋書として評判が高く、私が初めて読み切った洋書でもあります。
この作品で使われている英文は、文章的には難しくないと言われていますが、実際に読んでみると結構知らない単語がポンポン出てきます。あまりナメてかかると面食らうかもしれません。
ちなみに、この作品は物語としても面白いです。なかなかよく考えられたストーリーで、文章が英語であるとか関係なく物語に引き込まれますし、色々な伏線やサイドストーリーが物語の終盤に向けてキレイに収束していくところは読み応えがあります。
ただ、ひとつ難点を挙げると、序盤があまり面白くありません。
物語の導入部というのは得てして面白くないものですが、慣れない英文に挑んで頑張って読み進めようとチャレンジする立場からすると、序盤が面白くないというのは結構辛い。
ですが、ここはちょっと踏ん張って読み進めて欲しいと思います。
おおむね、主人公がグリーンレイクのキャンプに到着して仲間たちと合流する辺りから、物語も展開し始めて面白くなってきます。
ちなみに、HolesはAmazon Kindleで読むことができます。Kindleは是非活用してください。
Kindleに搭載されているWordwiseという神機能
特に、Kindleに搭載されているWordwiseという機能は秀逸です。
これは、難しい単語について本文中に簡易な注釈を表示することができる機能です。
さながら自動で学習用の英英辞書が併記されているような状態になるので、英語学習者には感動的なまでにうってつけです。これぞ電子書籍の利点と言っても良いでしょう。
とにかく、あまり正確な意味の読み取りに時間をかけすぎず、前へ前へと読み進めていくことが重要です。
なにはともあれ最後まで読み切ることを目指しましょう。
読み取りスピードが速くなることの効用
英文を読むスピードが速くなると、大量の英文を前にしても抵抗感がなくなってきますので、いろいろな英文コンテンツに触れようと思うことができます。
そうして様々な英文コンテンツに触れることで、より英文に慣れることができ、さらに英語力を向上させることができるのです。
TOEICのリーディング問題も最後まで解ける
よくTOEICのリーディング問題については「時間が足りない」とか「最後まで解き終わらない」という声が聞かれます。
気持ちは分かります。私も以前は時間内に問題を解ききることができませんでした。
しかし、これはやはり読むスピードが遅いと言わざるを得ません。
より正確に言うと、文章のどの部分をちゃんと読んで、どの部分をさらっと読み飛ばして良いのかが掴めていないのだと思います。
書かれている文字全てを正確に読み取ろうとすると時間がかかりすぎます。それに、そんなことは通常日本語の文章を読むときにもしないはずです。
読むべき箇所のメリハリの勘所を掴む必要があるのです。
その点、分量の多い洋書を1冊読み切ることで、そうした読み飛ばしの感覚に自然と頭を慣らすことができます。
ですので、一度洋書にチャレンジしてみることをおすすめします。
ちなみに、私は上記のHolesを読む前は、ご多分に漏れずTOEICのリーディング問題を解ききることができませんでした。
しかし、Holesを読み切った直後に受けたTOEICでは、時間が10分以上余りました。
そういう意味で、洋書を読んだ効果が如実に出たというのが実体験なのです。
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