私はTOEICで900点以上のスコアを持っています。
一度900点を超えてからは、もうTOEICは卒業で良いやと思って最近は受けていませんが、基本的な勉強法は今でも変わらないはずです。
そこで、今回は、私がTOEICへの取り組みを始めてから900点を超えるまでに行った勉強法を可能な限り書き残しておきたいと思います。
といっても、色々と手を出したわけではありません。勉強方法は結構シンプルです。
私がやっていたのは、特別にTOEICの試験対策に偏った方法というわけでもなく、ベーシックな英語力を底上げするための勉強でもあります。
TOEIC 900点の記載された履歴書はいまでも結構インパクトがありますから、頑張って取得する価値は十分にあります。
全体の戦略
私がここで言及しているTOEICとは、TOEIC L&R (Listening & Reading) のことです。
英語を「聴く力」と「読む力」を測るのがこのテストです。そのため、試験内容は大きく「リスニングセクション」と「リーディングセクション」に別れています。
それぞれ、対策方法が違いますので、個別に対応する必要があるでしょう。
ちなみに、手っ取り早く特典が伸びるのは意外にも「リスニング」です。
「リーディング」は義務教育でも散々やってるから何とかなるだろう、と思われがちですが、意外と伸び悩む傾向があります。
TOEIC L&Rの意義
勉強を始める前に、そもそも英語の4技能のうち「リスニング」と「リーディング」だけを測る試験に意味があるのか、という疑問にお答えしておましょう。
TOEICの点数が高くても全然英語が話せないじゃん、みたいな話は良く出てきますよね。
この点、私は、英語に関してはまず「読む」力こそがビジネスにおける最重要の能力であると思っています。
実際のところ、ビジネスにおける英語の「会話力」の優先順位はそれほど高くありません。
また、そもそも「聴く」力が十分でないと、「話す」力はなかなか伸びません。
よって、ビジネス英語において優先度の高い「読む」力と、会話の基礎となる「聴く」力を証明できるTOEIC L&Rは、非常に有用な試験であると考えています。
リスニングの勉強法
リスニング力の向上のコツは、とにかく英語を聴きまくることです。
まぁ当たり前の話ですよね。
ですので、ここでお伝えしておきたいのは「何を」「どのように」聴くと良いのかという、より具体的な話ですね。
リスニング教材として何を使うか
TOIEC対策を目的としてリスニング強化を図るなら、理屈上もっとも効率的なのは、TOEIC試験で使用されている音声に一番近いリスニング教材を聴きまくることです。
読み上げの速さや使われている語彙の広さ、想定されているシチュエーション等が近ければ近いほど、効率的に聞き取りの精度を高めることができるからです。
世の中には無数のTOEIC用リスニング教材がありますが、本試験で使われている音声に一番近いのは、TOEICの公式問題集でしょう。
理屈上、これを超えるものはありません。
シリーズで複数冊が出版されていますが、買うのはどれか1つでいいです。とりあえず一番新しい番号のものを選んで、それをひたすら繰り返せば良いでしょう。
そして、この問題集のリスニング音声は、単にTOEICテスト対策だけのために役立つものでもありません。
TOEICのリスニングはすべてビジネスの場面を想定していますから、ちゃんとモノにすれば、実際の仕事でも応用の効く表現や事例がたくさん示されています。
たくさん聴いて英語に慣れることがリスニング上達の鍵であるわけですから、これはTOEICの試験対策の最短ルートであるだけでなく、ビジネス英語全般の能力アップにも役立つわけです。
どのようにリスニングの勉強を進めるのか
ひたすらリスニング音声を聴きまくります。
公式問題集にある問題を解く必要はありません。
ひたすら音声を聴いて、「何を言っているのか分かるようにする」のが目的です。意味だけ分かればいいのです。
最初は何言ってるのか分からないはず
たぶん、1周目なんかは、速すぎてなかなか意味を取れないと思います。
それが普通です。最初から聴き取れるようなら勉強の必要がありません。
そこで何をするかと言うと、まず原稿を文書で読みます。
公式問題集にはリスニング音声の内容(スクリプト)が文書で載っていますので、まずはそれを読んでだいたいの意味を掴みましょう。
そして、リスニング音声を繰り返し聴きましょう。
あらかじめ頭に入っている内容を英語の音で聴くことで、話の流れや個々の単語を音で識別できるようになってきます。
これを繰り返すと、徐々に英語の発音を捉えられるようになってきます。
最初は、読んだ内容をしっかりと音で捉えられるように訓練します。そうして英語の発音に慣れてくると、初めて聞く文章もだんだんと聴き取れるようになってきます。
聞き流しは限りなく効果が薄い
さて、英語の発音に慣れるためには反復して音声を聞く必要がありますが、聞き流しはあまり効果がないと感じています。
英語って、聞き流していると本当に頭に入ってきません。
なんか雑音みたいに無意識レベルでシャットアウトされてるんですよね。これだと、学習効果が全くないわけです。
ですので、ながらリスニングではなく、集中して聴き取りができる環境が必要です。
スキマ時間を有効活用する
私の場合、通勤電車がリスニングの勉強に最適でした。
スマホとイヤホンさえあれば、集中できるリスニング環境を作ることができます。
しかも、平日は必然的に毎日、行きと帰りでやることになりますよね。これを毎日続けられればリスニングの勉強としては十分です。
リーディングの勉強法
リーディングは、意外と伸び悩むセクションです。
まず、多くの受験生が直面するのが、時間内に問題が解き終わらないという問題。
私は、その原因は2つあると思っています。
ひとつは、語彙力。文章を読んでいるときに、「この単語どういう意味だっけ?」と一瞬迷って時間をロスしてしまうこと。
もうひとつは文章慣れ。単体のセンテンスの意味を一発で捉える安定した読解力と、文章全体の中での要点を捉える勘が十分でないことです。
逆に、これらを鍛えると、TOEICのリーディングで多少時間を余らせられる位になります。
実際、私が900点を超えたときには、最後の問題を解いた後に時間が10分程度余りました。
語彙力を鍛える
英単語の意味がわかる、ということは英語学習のすべての基本です。
極端な話、単語の意味さえ分かれば文章はほぼ読めます。リーディングのためには最優先で取り組むべきです。
私は、単語帳の使用をおすすめしています。
英単語帳をやるのは受験勉強みたいでキツいんですけど、やはり一番効率的で即効性が高いんですよね。
努力はスコアに如実に表れますから、やって損はありません。
英語の長文に慣れる
英語の文章に慣れる方法はいろいろとありますが、私が実際にやって最も効果を感じたのはペーパーバック1冊の読破です。
数百ページの英語の本を読み切るのは、最初はすごく大変です。
1時間読んでも、数ページしか進んでないなんてザラです。
しかし、それこそがまさに、英語を読むスピードが遅いことの証明です。TOEICの問題数が多すぎるのではなく、読むのがあまりにも遅いから解き終わらないだけなのです。
とにかく読み進める
本を読むときには、正確な意味を捉えるよりも、早く読み進めることを重視して下さい。
物語の大筋を見失わない限り、細かい部分は読み飛ばしてもかまいません。
可能な限り2度読みをせず、前に前に進んでいきます。
そうやってガンガン読み進めていると、多少文章を読み飛ばしても、話の内容は分かるということに気づきます。
これはTOEICでも同じです。文章には重要なところとそうでないところがあって、重要なところさえしっかりと読めていれば、その周辺は多少読み飛ばしてもいいのです。
これができると、読むスピードが飛躍的に上がります。
あまり難しくない本を選ぶ
読み飛ばして良いといっても、1冊の本を読み切るのはかなり負荷の大きい作業です。
そこで、読む本は比較的易しめのものを選んだ方がいいでしょう。
なるべく、子供向けとか、青少年向けのレベルに押さえておいたほうが、挫折しにくくて良いと思います。
実際、子供向けの書籍でも、知らない単語が容赦なく出てきますから。
本のチョイスは、無理をしないようにしましょう。
TOEIC 900点を超える
以上のことをしっかりやったら、TOEICで900点を超えることができました。
単語帳とペーパーバック読破の効果はガチ。ちゃんとやると、気づかないうちにTOEICの点数が大幅に跳ね上がってます。
で、実際のところTOEICの点数で900点といわず、800点位を超えたら、もう英語の検定試験は卒業しても良いと思っています。
そこからはむしろ、実践と会話に取り組むべきでしょう。
TOEIC L&Rでさらなる高得点を目指したり、TOEIC S&Wとか別のテストに進むくらいなら、実際に英語を「使う」方に注力した方が良いです。