独学でいける! 建設業経理士2級の難易度と定番のテキストについて

建設業経理士は、日商簿記と同様の経理系専門資格です。建設業経理検定試験の 1級と2級の検定合格者が「建設業経理士」を名乗ることができます。

(検定試験には3級と4級もありますが、こちらの合格者は「建設業経理事務士」といわれ、2級以上とは扱いが異なります。)

日商簿記との違いは、その名称にある通り、「建設業」における経理に重点を置いている点にあります。

建設業はその業態の性質から、通常の簿記とは異なる経理処理が求められることがあります。例えば、建物の建設工事は、一般的な会計期間である1年を超えて進捗するケースがあります。こうしたときに、工事途中の未完成建物を決算期において資産と費用にどのように計上していくのか、などという観点は、建設業に特有の経理処理の論点といえるでしょう。

日商簿記が商取引や製造業に関する一般的な経理処理の資格であるのに対して、建設業経理士は、建設業に関するより深い知識が問われる専門的な資格なのです。

建設分野に強い経理は需要も大きく、専門性を広げるのに適した資格です。

ちなみにこの建設業経理士は、建設業の会社にとっては極めて重要な資格となっています。

というのも、特に公共工事の受注に際しては、工事を請け負うに足る経営面での信頼性があるかどうかを「経営事項審査」として審査されるのですが、その評価項目のひとつとして建設業経理士の有無が問われます。

事務職の資格でありながら、その資格の有無が公共工事の受注可能性という形で会社の売上に多大な影響を及ぼすため、経営上も非常に重要な資格なのです。

建設業経理士 2級の合格率と難易度

建設業経理検定試験 2級の合格率および難易度は以下の通りです。

合格率

ここ数年の合格率は、年によってバラツキがありますが、30%台〜50%くらいの間で推移しています。

過去の試験全体を通した平均的な合格率は40%半ばとされており、パーセンテージとしては、ちゃんと勉強をすれば十分に合格できる水準といえます。

難易度

簿記の基本的知識がないと、学習にスムーズには入りづらいかもしれません。その意味では、まずは日商簿記3級レベルの知識は持っていたほうがいいと思います。

逆に、簿記3級を持っていれば、基礎の部分はできていると考えられますので、建設業経理士2級の勉強に取り掛かることができます。

実際のところは、建設業経理士はメインの対象領域が「建設」ですので、内容は簿記3級でやる商業簿記よりも、むしろ簿記2級で学習するところの工業簿記に重なる部分が多いです。

そのため、もしすでに簿記2級を持っているようであれば、建設業に関わる個別論点だけ追加て勉強すればいいという話になりますので、比較的楽に合格できるかもしれません。そういう順番のルートもありです。

しかし、個人的な感覚としては、建設業経理士2級よりも日商簿記2級の方がやや難しいようにも思われます。

試験難易度の順番としては、「簿記3級→建設業経理士2級→簿記2級」の順番で難しくなっていくような感じがありますから、わざわざ簿記2級を先に取らなくても、とりあえず簿記3級だけ持っていれば十分に合格が狙えると思います。

独学による合格の可能性

建設業経理士2級は、独学でも十分に合格できる試験です。

もちろん、確実性を期するために予備校や通信講座を利用するのも当然アリです。TACや大原といったしっかりとした予備校の講座でもWeb受講等であれば 50,000円もしない料金水準ですから、基礎からみっちり知識を定着させたい場合にはこれも良い選択です。

でも、簿記3級レベルの基礎知識と、自力で試験勉強を進められる自己管理力があれば、独学で勉強を進めるのも良いと思います。

建設業経理士の独学用テキストはほぼ定番が決まっていますから、教材選びはあまり難しくありません。

建設業経理士 2級の独学用テキストと過去問

建設業経理士の教材には、「とりあえずこれ1冊やっとけ」的な定番の教材があります。

過去問とテキストが1冊にまとまった「出題パターンと解き方」、通称「パタ解き」です。

紙面は見やすく、解説もしっかりと分かりやすいです。「出題パターン」というように、経理関係の資格試験というのは問題にある程度のパターンがありますから、これを過去問に照らして解き方をマスターしていけば、自ずと合格レベルに到達することができるわけです。

建設業経理士関係でメジャーなテキストとしては、他に「スッキリわかる」シリーズというものもあるのですが、私は「パタ解き」の方が見やすさの面で好みです

実際、試験会場に行くと、「パタ解き」を使っている人をよく見ますので、これを使っておけば基本的に間違いはないんだろうなと思います。

つまるところ、建設業経理士2級の独学合格の成否を決める要因は、この 400ページ近い教材「パタ解き」をどこまでしっかりやり込んで理解できるか、ということに尽きるといえるでしょう。