私は、Web漫画に関してはこれまで10年以上、いろいろな作品を読んできました。
Web漫画には面白い漫画が多数ありますが、たくさんあり過ぎて、全部を並べようとするととんでもない量になってしまいます。
あんまり大量に紹介されても何を読めばいいのか分からず困ってしまうでしょうから、今回は数ある作品群の中から、私が特にハマった作品だけを厳選してご紹介したいと思います。
有名な作品も多いと思いますが、逆にいうとよく名の挙がる作品というのは、それだけWeb漫画の界隈では鉄板の名作ということなのだと思います。
熱い競馬漫画
私は、競馬のことはよく知りません。
基本的に競馬中継は見ませんし、馬券を買った経験なんて付き合いで競馬場に行った時の1回のみです。
しかし、それでもこの漫画は面白いのです。
競馬の知識はいらない
この漫画を読んだ当初、私の競馬知識は完全にゼロでした。
そのため、物語を読みながら競馬の仕組みを理解していった感じですね。
この作品を読むのに、競馬への興味とかは一切不要です。
この作品は競馬を楽しむ漫画ではなく、物語そのものを楽しむべき漫画なのです。
登場人物がみんな魅力的
内容的には、競馬の世界で戦う騎手達がレースで勝つために凌ぎを削る群像劇です。
特定の主人公が定められているわけではなく、登場人物のそれぞれにスポットライトがあてられます。
特定の主人公がいると、最終的にはその主人公が勝利するストーリーを普通は思い描くじゃないですか。でも、登場人物のそれぞれが主役級のポジションで戦っていると、誰が勝つのか分からないですよね。
思い入れのある複数のキャラクターが、目指すべき大舞台のレースで雌雄を決する真剣勝負の展開はワクワクが止まりません。
こうした展開の中で繰り広げられる人間ドラマや臨場感が、まさにこの作品が「熱い」競馬漫画たるゆえんです。
安定的なクオリティの高さ
一方で、ゆるいギャグパートなんかも挟まれていて緩急のバランスが良いんですよね。
かつてWeb漫画の中でもトップクラスの評判とクオリティを誇っていた漫画ですから、面白さには安定感があります。
いまでこそ、アマチュアの漫画家が商業出版やメディアミックスへ進出してみたり、逆に出版社が漫画をWebで無料公開したりするようになってハイクオリティな漫画が多数無料公開されるようになりました。
しかし、この漫画の連載が開始された当初はそんなことありませんでしたので、本当にこんな作品が無料でいいの? と思わざるを得ないような感覚でした。
ちなみに、この作品は未完です。最終更新からかれこれ数年が経過しているような気がしますが、作者は決して投げたわけではないはずですので、気長に続きを待ち続けています。
※……と信じていましたが、Yahoo!ジオシティーズのサービス終了に伴い公式サイトが消えてしまったので、いよいよおしまいかもしれません。
※リンクはgeocitiesのバックアップサイトに貼っています。
ピーチボーイリバーサイド
ピーチボーイリバーサイドは、ライトなファンタジーを舞台にした長期の連載漫画です。連載開始からかれこれ10年近く経過しているでしょうか。
読みやすく面白い
主人公が魔物や鬼の蔓延る世界で旅に出るという極めて王道のストーリー構成ですが、読者に好まれやすい世界観やキャラクター設定をふんだんに盛り込んでおり、非常に読みやすい作品です。
また、飽きさせない展開の連続で、マンネリを感じる箇所も少ないように思います。
あまり難しい設定や伏線はなく、気楽に読み始めて、気がついたら内容に引き込まれているような独特の勢いがあるのが良いですね。
ところどころに余計な(本当に余計な)R15〜R18描写もあるのですが、それを差し引いても十分に完成度の高い漫画だと思っています。
Web原作版と商業版
本作は、Web上で人気を博していたこともあり、商業出版もされています。
正直、私は原作の画風が完全に頭の中に刷り込まれてしまっているのでWeb原作派ですが、これから読み始める方にとってはもしかすると単行本の方が絵も綺麗ですしとっつきやすいかもしれません。
実際、Web原作の初期の絵がちょっと雑なのは否めないですし……。
ちなみに、本作はまだ連載中の作品です。作者がいまやプロとして多数の仕事を抱えるようになったために更新がかなり滞っていますが、最近、久しぶりに更新もありましたので、おそらくゆくゆくは完結するものと思います。
役職物語
役職物語は、RPG的なファンタジーの世界観をもつ作品です。
登場人物にはあらかじめ自分の「役職」が決められており、その中で討伐士と呼ばれる役職を定められた主人公達が、仲間を集めて突如現れる強力な魔王を倒す物語です。
たぶん。
少なくともいまのところはそんな感じのストーリーで進んでいます。
世界観が確立している
これはかなり新しいWeb漫画ですが、クオリティが非常に高いですね。セミプロのような感じです。
連載途中ですぐに商業出版が決定されたくらいですから、プロの編集者も認める人気作だったということでしょう。
ただ、商業化は微妙に失敗だったのかもしれません。実際、まるで打ち切りかのような強引な展開で単行本の連載は終了してしまいました。
まぁ、Web原作の時点で物語もしっかりと構成されていて、おまけに作画のクオリティも十分に高かったわけですから、元々この作品に関しては出版社の出る幕はなかったのかもしれません。
それだけ、Web漫画として質が高いということです。
特徴的な絵柄が独特な世界観を描き出し、ところどころに散りばめられた気の抜けたおフザケと、重要な場面でのダークファンタジーな盛り上がりは絶妙です。
今後の展開にも非常に期待をしています。
ワンパンマン
ワンパンマンは今となっては最も有名なWeb漫画のひとつかも知れません。
パンチ1発で、どんなに凶悪な怪人でも一撃で倒せるほど強くなってしまったヒーローの繰り広げるギャグバトル漫画です。
完全に出落ちの一発ネタ的な発想から始まったんじゃないかと勘繰りたくなる設定とネーミングですが、漫画としてのストーリーの完成度は非常に高く、面白いです。
Web原作版も商業版も面白い
本作は商業出版もされており、これはWeb漫画からの商業展開という流れの中では珍しい成功例のような気がします。
実際、Web原作にはWeb原作の、商業版には商業版の良さがあるんですよね。
商業版も、Web上の公式サイトで一部を読むことができます。
バトル漫画ではありますが、作品内において根本的に危機感や緊張感みたいなものが存在しないので、誰でもゆるく気軽な感覚で楽しむことができます。
金魚王国の崩壊
金魚王国の崩壊は、ダウナー系の日常漫画です。まずWebサイトの雰囲気からして陰鬱な印象です。
内容としては画的にドラマティックなものではなく、思春期の女の子が世の中の不条理に対して鬱々と悩むストーリーです。
哲学、あるいは倫理
各話の最初にある絵画調の表紙は随分とインパクトがありますし、作品全般に漂う雰囲気は暗いのですが、別に過度にグロテスクな表現などがあるわけでは(いまのところ)ありませんので、基本的には誰でも抵抗なく読めると思います。
面白い、というよりは考えさせられる作品というべきでしょう。
実際、ミカゼちゃんが抱いた「食べること」に対する疑問などは、もしかしたら実際の子供が現実に抱きうる問いなのかもしれませんし、私も明確な回答を持ち合わせているとは言えません。
この独特の作風が気に入るか気に入らないかで本作に対する評価は賛否両論に分かれるかもしれません。
まとめ
いかがだったでしょうか。
ここで挙げた作品はWeb漫画としてはかなり人気のメジャーな作品が多かったため、すでに知っている作品ばかりだったという方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、本気でハマった作品を選ぶとなると人気作が固まってしまうのはある意味では自然で仕方のないことだと思っています。
よく名前が挙がる人気作というのは、安定して評価されている作品という意味でもありますので、もし上記の中に未読の作品があるようでしたらぜひ読んでみて頂ければと思います。
もっとマイナーな名作をお探しの方へ
私の中で「もっと評価されるべき」Web漫画を下記の記事でご紹介しています。
あまり巷のランキングには出てこない作品ですが、ちょっと凄い作品ですので、Web漫画がお好きな方はぜひ一度読んでみて欲しいと思います。