ビジネスマンや一般の会社員の中には、会社法を学ばなければならない方もおられると思います。
例えば、それなりに大きな企業の管理部門(総務部や経理部など)には会社法の知識が必要でしょう。
会社法は会社の基礎ですから重要なのですが、そのわりに、体型的に学ぶことのできる機会があまり多くありません。
会社法を体型的に勉強する資格のようなものもあまり無いですし。
そこで今回は、独学で会社法を勉強するサラリーマンや会社員の方のために、特に実務で役立つ分かりやすい書籍をご紹介したいと思います。
司法試験予備校の参考書が分かりやすい
私のおすすめは、LECのC-Bookです。
C-Book商法Ⅰ<会社法>
- 出版︰東京リーガルマインド LEC
- シリーズ︰PROVIDENCE
- 電子書籍︰Kindle版あり(試し読み可)
本来的には、これは司法試験の受験対策のための書籍です。しかし、実務にも役立つ情報が網羅的かつ分かりやすく記載されています。
- 教授と学生との対話形式による「ゼミ室から」のコラムは、会社法入門レベルの学習者がイメージを掴むのに最適。
- 論点ごとに重要度の記載あり。試験で重要な論点は、往々にして実務でも重要な内容です。
- 実務上の細かい手続きまで図表で解説あり。
- 論点に関連する重要判例への言及あり。判例の索引的にも使える。
会社法をイチから網羅的に勉強したい人が求めるものすべてが詰まっていると思います。
考えてみれば当然です。なぜなら予備校本とは専門家向けの解説書ではなく、学習者のための本だからです。サラリーマンの独学にも最適です。
紙の書籍は大判でデカくて分厚いです。そのため私はKindle版を購入しています。スマホの画面からでも、拡大等を併用しながら十分に読めます。
企業担当者として必要な知識はこれ一冊で十分すぎるほど得られるでしょう。もしこれに載っていないような特殊な事案に遭遇したら、素直に弁護士等に相談した方が良いと思います。
基本書を読まないのか?
会社法の勉強をしようと思ってAmazonで「会社法」を検索すると、通常出てくるのは以下の2つです。
- 超初心者さん向けっぽい入門書
- 学者さんが書いた基本書
初心者向けの入門書はたしかに入門としては良いんです。「株式会社とは何か?」みたいな超基礎的なところからイラスト付きで解説してくれるでしょう。
しかし、会社での実務に使うには物足りない。情報量が少なくて具体的な仕事の現場ではとても使えない。
じゃあ、学者の書いた基本書はどうか。江頭憲治郎? 田中亘? 確かに定番ですし網羅的です。会社法といえばとりあえず江頭みたいな感覚を私も持っています。
しかし、読むのは大変。基本的に全部文章ですし、図表のまとめなどもありません。全体的に平坦で実務における重要箇所が分かりづらいわけです。さらに検索性も乏しい。
そこで、上記の入門書と学者本の中間にある書籍として、私は司法試験予備校の参考書をおすすめしたいのです。