賃貸物件の初期費用で、絶対に交渉して節約したい無駄なコスト6選

賃貸物件を借りるとき、不動産業者から様々な初期費用を払うように言われると思います。

よくみる代表的な費用は以下のような項目です。個々の項目がそれぞれ、それなりに高額な出費になりますが、これらを不動産会社はドサクサに紛れてまとめて請求しようとしてきます。

  • 敷金
  • 礼金
  • 前家賃
  • 日割家賃
  • 仲介手数料
  • 火災保険料
  • 鍵交換費用
  • 室内消毒費用
  • 家賃保証会社利用料

確かに必要な支出もあります。しかし、これらの中には、交渉や申し出によって節約が可能な項目が複数存在します。

簡単な手続きでサクッと費用を抑えられる項目もありますので、ここでは、その根拠から実際の削減方法まで詳しくご説明したいと思います。

だいぶ長い記事になってしまって恐縮ですが、ここに書いた内容をうまく利用すれば、10万円分くらいの節約効果は期待できると思います。

賃貸物件の契約の際には不動産業者の言いなりになるだけでなく、ぜひ初期費用削減のための交渉にチャレンジしてみて頂きたいと思います。

簡単で効果の大きいものから順にランキング形式でいきます。

1位︰火災保険料

誰にでも節約できて、かつ確実に効果がある項目の筆頭が火災保険料です。

賃貸住宅の入居にあたっては、火災保険の契約をすることが必須になっている不動産会社が多いですね。

確かにこの保険自体は必要なのですが、よく見るべきはその中身です。不動産業者は往々にして、過剰な保険内容で費用の高すぎる保険を提案してきます。

なぜならば、彼らは高額な保険をお客さんに契約させることで、保険会社から手数料を貰っているからです。

というわけで、まずは火災保険料の抑え方からみてみましょう。

火災保険料の相場

私がこれまでに経験した例では、不動産業者から紹介される火災保険料の相場は、1LDKの物件で2万円前後、2LDKの物件で3万円前後でした。

いずれも、保険期間は2年間です。

火災保険の必要性

そもそも賃貸住宅においては、仮に建物が火事等で燃えて焼失したとしても、借りている立場からしたら自分の家ではないのであまり関係がありません。痛手を被るのは大家さんの側です。

ただし、賃貸物件といえど家の中にある家具や電化製品等は自分のものですから、これが燃えたら自分の損失になります。

よって、こうした「家の中の資産」に対して保険をかけるのが、家財保険というものです。賃貸住宅における火災保険とは、一般的にこの家財保険を指します。

しかし、ですよ。

家財に対する保険は本来、借りる側が必要かどうかを判断するべきものであって、不動産会社からとやかく言われるべき類のものではありません。彼らからすれば、私達の資産が保険で保障されるかなど、本来どうでもいいことのはずです。

にも関わらず、ほとんどの不動産会社では、火災保険への加入は賃貸物件の入居にあたり必須とされています。

なぜでしょうか。

実は、不動産会社としても、賃借人の家財にどれだけ保険がかかっているかはあまり関心事ではありません。

しかし、これに付随する「借家人賠償責任保険」、これこそが不動産会社や大家さんにとっての一番の関心事であり、賃貸入居に際して火災保険が必要とされる理由なのです。

借家人賠償責任保険とは

賃貸住宅は、大家さんから物件を借りて住ませてもらう仕組みです。

ですから、借り主である私達と大家さんとの間には、法律上は賃貸借という契約関係が生じます。

賃貸借契約では、「借りたものは返せ」という当たり前の義務が定められているわけですが、これ、「火事で物件が燃えたから返せなくなった」みたいな事態が発生したらどうなるでしょう?

事情はどうあれ、「借りた物件を大家さんに返すことができなくなった」という状況だけは事実。このとき、賃貸借契約に基づくと、借りたものが返せないなら、代わりにその価値と同じだけの損害賠償を払え、と、こうなるわけです。

燃えたのは家です。数千万円単位の規模です。そんなの賠償しろと言われたって、無理じゃん……と思いますよね。

そこで、借家人賠償責任保険が登場します。この賠責保険は、まさにこのように物件が火災等で滅失して返せなくなったとき、借り手に発生する損害賠償責任を肩代わりする保険です。

物件を借りる側としても、不測の高額な損害賠償責任を回避することができる。貸す側としても、賃貸借契約に基づく賠償金を確実に回収することができる。

その意味で、借家人賠責保険自体はお互いの利害が一致した良い仕組みです。

しかし、借家人賠償責任保険は家財保険の特約としてしか契約することができないため、ベースとなる家財保険の契約が必要となるわけです。

家財保険と借家人賠償責任保険を自分で契約する

借家人賠責保険で設定すべき保険金額は、借りている建物の価値相当額です。

不動産会社が勧めてくる火災保険の内容を見せて貰って、「借家人賠償責任保険」の付保金額だけ見せて貰いましょう。

1LDKで2,000万円、2LDKで3,000万円くらいの設定かなと思います。この金額自体は、そのまま採用しておくのが無難です。

保険金が高額だから、支払う保険料も結局高いままになりそう? いえいえ、そんなことはありません。

私が2LDKの賃貸住宅を借りたとき、不動産業者から提示された火災保険料の金額は、正確には覚えていませんが、2年間の保険でだいたい3万円くらいでした。

これが、自分で保険会社に問い合わせて見積もりを取ったら、借家人賠償責任保険の保険金額は同じ3,000万円でも、2年間の保険料は5,500円になりました。

このとき、家財保険の本体の保険金については最低金額の100万円で設定しています。家財なんて、万が一火災で燃えたとしても買い直せば良いと思っているからです。

これだけで、30,000円から5,500円への差し引きで、24,500円の節約です。

私はこれまで複数回、賃貸物件を借りていますが、いずれの場合も「借家人賠責保険は自分で契約したい」ことを不動産業者に伝えると、二つ返事でOKがでます。

交渉のハードルも非常に低いため、この火災保険の調達は絶対に自分でやることをおすすめします。

ちなみに、私が使っているのは、損保ジャパン日本興亜の「THE 家財の保険」という保険です。

初めて見積もりを取ったのがここだった、というだけの理由ですが、特に不満もなく、変える必要性も感じていないため、これまでずっと継続してここを使っています。

2位︰室内消毒費用

賃貸物件の入居時に、室内消毒を勧められることがあると思います。

オプションになっていることもあれば、原則として必須にしている不動産業者もあります。

費用はだいたい、1万円〜2万円くらいでしょうか。

これ、完全に無駄な出費なので、きっぱりと断るのが賢明です。

なんとなく臭いなどが気になるのであれば、自分で除菌・消臭スプレーを買って撒いておけば良いでしょう。

除菌消臭スプレーは1,000円くらいで買えます。室内消毒の相場が平均して15,000円くらいだとすれば、14,000円の節約になります。

この室内消毒、以前は強く勧めてくる不動産業者も存在しましたが、今では断るための交渉がかなりやり易くなりました。

なぜなら、アパマンショップがとある事故を起こしたことで、賃貸物件の室内消毒に関する業界の闇が世間に露呈されてしまったからです。

アパマンショップ爆発事故により明らかになった室内消毒の実態

2018年12月16日、アパマンショップの北海道の店舗で爆発事故が起きました。

爆発の原因は、廃棄のために屋内で噴射処理をしていた除菌消臭のスプレーの中身が、給湯器の作動により引火したためとされています。

このとき、廃棄目的で噴射されていたスプレー缶は100本以上あったそうです。

爆発事故というだけでも相当なインパクトがありますが、ここで着目すべきは「なぜそんなに大量のスプレーを廃棄する必要があったのか」ということです。

この点、事故を受けて、その背景にある怪しい経緯がいろいろと報道されることとなりました。

 札幌市で16日夜に起きた爆発事故で、倒壊建物に入居していた不動産仲介店を運営する「アパマンショップリーシング北海道」(同市北区)の佐藤大生(たいき)社長が18日に会見した。店長が室内で在庫の消臭スプ…

上記の朝日新聞の記事で指摘されている経緯のうち、消費者側から見て特に問題なのは下記の2つです。

  1. 1万円〜2万円も取られる室内消毒の中身が、実は原価1,000円程度のスプレーの噴射でしかなかったこと
  2. 室内消毒費を支払っているにも関わらず、実際には実施されていない場合があったこと

1.だけでも室内消毒の無駄さがよく分かりますが、それに加えて、2.はもはや論外です。

結局、お金を払っても、実際に不動産業者がその作業をしたかどうかについて、私達には確認する手段が無いわけです。

バレないんだったらと、お金だけ取ってサボる業者がいても不思議ではありませんし、実際にアパマンショップではそういう事態が生じていたようです。

以上のことから、室内消毒はきっぱりと断るようにしましょう。場合によっては、上記のアパマンショップの事例を持ち出して交渉しても良いかもしれませんね。

3位︰鍵交換費用

賃貸物件に入居する際に、鍵交換費用が借り主負担になっている場合があります。

前の入居者が鍵の複製などを作成していた場合、防犯上の問題が起こりうるという理由からです。

鍵のタイプにもよりますが、だいたい2万円前後が相場でしょうか。

私は、この鍵交換は基本的に断っています。そして、これまでに一度もトラブルが生じたことはありません。

また、まだ経験はありませんが、もし、立地や近隣の治安等の関係で防犯に多少の不安を感じるときは、不動産業者経由で大家さん負担での鍵交換を求めるか、許可を取って「自分で」鍵交換を手配すると思います。

というのも、この鍵交換に関しては、下記の3つの問題があると私は思っているからです。

本当に鍵を交換しているのか

まず、本当に鍵交換を実施しているのか、分かりません。

前述の室内消毒の場合のように、お金だけ取って実際には何もやっていない可能性だってあり得るからです。

実際に調べてみると、鍵の交換はそもそもやっていないとか、一応交換はしているけど、他の部屋で使っていた古い鍵を使いまわしているとか、色々な話があります。

あれ、「新品交換」相当の料金、取ってますよね?

たとえ鍵の納品書や領収証があったとしても、その書面に施工した「物件名」と「部屋番号」と「設置時期」まで明記されていない限り、私の部屋の鍵が本当に交換されたのかは確認できません。

使いまわし用の在庫を調達しただけかもしれません。

確認できないものに、お金を払うべきではないのです。

他人に鍵交換をやってもらって本当に安全なのか

新築住宅の場合でも、鍵交換を薦める不動産業者がいます。

その言い分は、「施工業者が不正な合鍵を作っているかもしれない」というものです。

そんなこと普通は無いと思いますけど、まぁ100%否定できる根拠もないので、ひとまずその言い分は受け入れておくことにしましょう。

では、わずかでも懸念がありうるならと鍵交換をしたとして、じゃあ「鍵交換をした不動産会社や大家さんが不正な合鍵を作っている可能性」はないのでしょうか。

これも、100%否定できる根拠はありません。施工業者による合鍵作成の懸念と何も変わりがありません。だったら、わざわざお金をかけて新たに鍵交換をお願いしてもあまり意味がないのでは……。

そもそも、本当に確実な安全を求めて鍵交換をするならば、他人に任せきりにすること自体が間違っていますよね。

心配性であれば、鍵交換は大家さんに許可を取って自分で手配すべきです。まぁ私は、基本的に鍵に関してそこまで神経質になる必要は無いと思っています。

というか、そこまで可能性の低いリスクを気にしていてもキリがないですよね……。

鍵交換は本来は大家さんの義務である

さらに言いたいのはこれです。鍵交換は、本来は大家さんの側の責任です。

なぜならば、賃貸借契約の大前提として、貸し主である大家さんは、ちゃんと防犯上も居住の用に適した物件を借り主に提供する義務があるからです。

鍵の安全性は、賃貸物件の重要な構成要素ですから、その責任は大家さんにあります。

そのため、仮に過去の借り主が不正な合鍵を作っていて、それによって盗難事故が発生した場合でも、その責任は原則として大家さんにあるのです。

この点、鍵交換の責任について、下記のURLが参考になります。

さらには、国土交通省の原状回復ガイドラインにおいても、鍵の取り替えは賃貸人 (大家さん) の負担とするのが妥当であると明確に書いてあります。

国土交通省のウェブサイトです。政策、報道発表資料、統計情報、各種申請手続きに関する情報などを掲載しています。

原状回復というのは、賃借人が退去した後の作業ですね。つまり、入居時の鍵交換の実態は、前の借り主が退去したら大家さんが鍵の取り換えをすべきなのに、それをせずに次の借り主にその負担を押し付けている状況といえるわけです。

さて、そういうことですから、私たち消費者が取れる立場は3つあります。

  1. 鍵交換を大家さんの負担でやらせる
  2. 鍵交換をせずにそのまま使う
  3. 鍵交換費用を支払わずに、大家さんの許可を得て自分で交換する

1.には合理的な根拠も正当性もありますので、法律論と交渉力に自信のある方にとっては十分にやる価値があるでしょう。本気でやれば勝てる可能性が高いと思います。

私は、いまのところ2.を選択しています。鍵交換をしなかったことによるリスクを、これまで全く感じたことが無いからです。

また、もし万一、過去の入居者が合鍵を作成していたことによる空き巣被害等が発生したら、私はその犯人と同時に大家さんに対しても損害賠償請求を行います。

なぜなら、安全な家を提供しなかった責任は大家さんにあるからです。

このとき、大家さんが「鍵交換を断った場合の責任はすべて借り主の責任だ」と主張したとしても、先程の公益財団法人全日本不動産協会のQAにもあるように、そんな主張は消費者契約法によって無効になります。

やはり鍵交換による安全性確保の責任は、大家さんが負うべきなのです。

4位︰仲介手数料

仲介手数料は、宅地建物取引業法という法律に基づき、不動産会社が取れる上限が決められています。

一応、根拠条文を引用しておきますが、読まなくて良いですよ。

宅地建物取引業法

第四十六条(報酬)

宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関して受けることのできる報酬の額は、国土交通大臣の定めるところによる。

宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額
(昭和45年建設省告示第1552号)

第四 貸借の媒介に関する報酬の額

宅地建物取引業者が宅地又は建物の貸借の媒介に関して依頼者の双方から受けることのできる報酬の額(当該媒介に係る消費税等相当額を含む。以下この規定において同じ。)の合計額は、当該宅地又は建物の借賃(当該貸借に係る消費税等相当額を含まないものとし、当該媒介が使用貸借に係るものである場合においては、当該宅地又は建物の通常の借賃をいう。以下同じ。)の一月分の1.08倍に相当する金額以内とする。この場合において、居住の用に供する建物の賃貸借の媒介に関して依頼者の一方から受けることのできる報酬の額は、当該媒介の依頼を受けるに当たって当該依頼者の承諾を得ている場合を除き、借賃の一月分の0.54倍に相当する金額以内とする。

何が書いてあるかというと、

  • お客さんの特別な合意が無い限り、上限は「賃料の0.5ヶ月分+消費税」が原則
  • お客さんの特別な合意がある場合には、上限は「賃料の1ヶ月分+消費税」にしてもよい

ということが書いてあります。

中途半端な数字に見えるのは消費税が含まれているからですが、基本的な考え方は、賃料の半月分なのか、1ヶ月分なのか、ということです。

賃料の半分というのは、かなり大きな金額です。10万円のお部屋だったら54,000円もの差が出ます。

さて、普通に考えれば、何もないのに自分から「仲介手数料は2倍払いますよ!」なんて特別な合意をしようとは思いませんよね。

しかし、世間の多くの不動産業者は、当たり前のように賃料の1ヶ月分を仲介手数料として請求してくることが多いです。

なぜでしょうか。

それは、お客さんの側に法律の細かい知識が無いのをいいことに、その情報格差につけ込んでいるからです。

法律の定めは、明らかに0.5ヶ月分が原則で、1ヶ月分が例外であるとする書き方です。

であるならば、不動産業者はお客さんに対して常態的に高値をふっかけていることになります。

仲介手数料の減額交渉の実現性

しかしながら、この仲介手数料に関して値下げの交渉をするのは、実際上はかなり難易度が高いと言わざるを得ません。

なぜならば、この仲介手数料は不動産業者が「仲介をした」という事実だけで入ってくる収益です。たとえ適当な仕事をしたとしても、契約さえ成立すれば必ず満額入ってくるのです。

そんな「美味しい」収益を、そう簡単には譲ってくれません。

彼らははじめから「仲介手数料は1ヶ月分頂きます」と言っておいて、それで何事もなく契約が成立したら「特別な合意があった」とみなします。

もし、「仲介手数料は0.5ヶ月分であるべきだ」と主張するお客さんがいた場合、彼らの反応は「では、あなたに紹介する物件はありません」ということになるでしょう。

まぁ、具体的な物件をほぼ決めた段階で、賃貸借契約を締結する直前に言ってみたらどうなるかはわかりませんけどね。かなり賭けなので私はやったことありませんが。

さて、そういうわけで、仲介手数料の値引き交渉は、よほどのことがない限り難しいでしょう。

では、どうすればいいのでしょうか。

はじめから仲介手数料0.5ヶ月の仲介会社を選ぶ

最近では、不動産業者の仲介手数料が法律の趣旨よりもだいぶ「ボッタクリ価格」になっているとの世間的な認識が広まってきたことで、はじめから仲介手数料「半額」を打ち出す不動産会社も増えてきました。

いやまぁ、実際は半額なのではなくて、巷の多くの不動産業者が倍額を取ってるだけなんですけどね。

それでも、仲介手数料の適正化の取り組みは大変評価できます。そして、消費者側にもメリットがあります。

大手の不動産賃貸仲介で、仲介手数料を初めから適正価格の0.5ヶ月分に設定しているのは、以下の会社です。(2019年3月時点)

  • ミニミニ
  • エイブル

賃貸物件は、同じ物件を複数の不動産会社が扱っていることもありますので、SUUMOやHOME’Sで良さそうな物件を見つけたら、まずはその物件がミニミニやエイブルで扱われていないかを調べると良いでしょう。

たったそれだけで、高額な仲介手数料を節約できる可能性があるのです。上手くいけば、金額的なインパクトはこれが一番大きいかもしれません。

5位︰日割家賃

賃貸借契約の開始日をいつにするか、というのは、実は費用の面で重要な意味を持ちます。

なぜならば、家賃は1日単位で発生するからです。月の途中で契約した場合には、日割り精算によって日数分の賃料が請求されます。

であれば、一番望ましいのは、引っ越しの日が賃貸借契約上の入居開始日になることです。こうすれば1日も無駄がありません。

例えば10万円の物件を借りる場合、1ヶ月が30日とすれば、1日あたり3,333円の費用が発生していることになります。

賃貸借の開始日は3月10日なんだけど、実際に引っ越すのは3月15日なんだよね、とかいうことになれば、「3,333円×5日分」で、たった5日でも16,665円もの無駄な出費です。

バカになりませんね。

一方で、大家さんの側も、1日でも早く貸して家賃が欲しいと思っています。借り主側は、開始日をできるだけ先延ばしにして引越日に合わせられるようにしたい。

このつばぜり合いとなります。

効果的なのは、初めから不動産会社に引越の予定時期を伝えておいて、賃貸借の開始日はその辺りにしたいと伝えておくことでしょう。

はじめに伝えておけば、物事はある程度それを前提に動きます。そして、いざという時の交渉も、「最初からそう言ってたでしょ!」という強気の姿勢で挑むことができます。

無駄な日割家賃は本当に無駄ですから、できるだけ発生しないように心掛けたいところです。

6位︰家賃保証会社利用料

賃貸物件への入居に際しては、家賃保証会社との契約を求められることがあります。

家賃保証会社とは、借り主がもし何らかの事情で賃料を支払わなかった場合に、大家さんに対して賃料の支払いを代わりに保証する会社のことです。

要するに保証人の代わりですね。ですから、家賃保証会社を利用する場合には、連帯保証人は不要です。

しかし、家賃保証会社の利用にあっては利用料が発生します。初期費用として一括で払うケースと、月額払い分割して支払うケースとその複合型がありますが、トータルすると利用料はだいたい家賃の50%くらいに相当します。

これに関しては、交渉次第ですが、連帯保証人をつけると言えば家賃保証会社を利用しなくて良くなるケースもあり得ます。そうすれば保証会社の利用料はかかりません。

ただし、これについては、私は普通に家賃保証会社を利用しています。なぜなら、連帯保証人をつけるのは色々な意味で面倒くさいからです。

また、連帯保証人ではなく、別途の保証会社を使うという不動産賃貸の仕組みそのものについても、合理的で悪くないシステムだと思っています。

ただ、決して小さくはない出費を伴いますし、節約することも可能な項目だと思いますので、どなたかに連帯保証人をお願いすることが出来るようであれば、保証会社については利用しないことを交渉してみるのも良いでしょう。

おまけ︰交渉のための心構え

不動産というのは、一般消費者と業者との間に情報の格差が大きすぎて、びっくりするほど消費者側に不利な契約が取引慣行としてまかり通ってしまっています。

ただまぁ、おかしいものはおかしいですし、理屈と根拠を示して交渉されたら彼らも引き下がらざるを得ませんので、この辺りはガリガリと交渉すべきだと思っています。

ちなみに、あんまりしつこく交渉すると借りたい部屋を借りることが出来ないんじゃないか、という心配をされる方もいるかもしれませんが、基本的には大丈夫です。

初期費用の話が出る段階というのは、通常、契約手前の最終段階で、不動産業者としても営業活動の最後の詰めとして早く契約を締結したい気持ちになっています。

その段階においては、お客さんに正論を持ち出されて交渉された場合、彼らの立場からしても揉めるよりは多少譲歩して契約を進めた方が得なわけです。

ほよど無茶苦茶な要求をして埒が明かないと思われたら駄目でしょうけど、上記で挙げたような費用に関する交渉であれば、十分に譲歩を引き出せる余地があります。

なにしろ、契約直前でお客さんを逃したら、また新しい別の客に同じ物件の説明や内覧等をしないといけないわけですから、彼らだって手間ばかりかかって嫌なわけですよね。

借りたい側も、貸したい側も、その意味では取引を成立させたいという共通の利害を持っていますから、その範疇で、筋の通った交渉を遠慮なくやるのが良いと思っています。