大家さんの60%余りが高齢者の入居に拒否感を抱いているとして、それは賃貸派にとって本当に問題となるだろうか?

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賃貸物件の大家さんが、高齢者の入居に対して拒否感を抱いているという調査結果がニュースにありました。

マンションの管理会社などで作る日本賃貸住宅管理協会が、賃貸住宅の大家の意識を把握するため、去年12月からことし2月にかけて、加盟する管理会社を通じて全国の大家36万人余りを対象に行いました。

それによりますと、「高齢者の入居に拒否感がある」が60.6%で、調査を始めた平成22年度以降、徐々に増え最も高くなりました。また、1人暮らしの高齢者の入居を制限をしていると答えた大家は全体の14.2%、高齢者のみの世帯の入居を制限している大家は13.4%でした。

まあ、拒否感を抱きがちなことについて不思議は無いかと思います。働き盛りの若者やファミリーと、年金暮らしの高齢者とを比較したら、それは高齢者の方はあまり好まれないのが普通でしょう。

調査によれば、

「高齢者の入居に拒否感がある」が60.6%

であり、さらに、

1人暮らしの高齢者の入居を制限をしていると答えた大家は全体の14.2%、高齢者のみの世帯の入居を制限している大家は13.4%

とのことです。

実際問題として、住まいに関して賃貸派であれば、老後をどうするのかというのは大きな論点であることは事実です。

そこで、今回はこのニュースを受けて思うところを述べたいと思います。

逆にみると、40%の大家さんは高齢入居者に拒否感がない?

これは調査のやり方によるかもしれませんが、60%が高齢者の入居に拒否感を抱いているという調査結果は、逆にいえば、40%がそうではないということを示していますね。

そちらの方がむしろ意外な感じがします。大家さんってだいたいは高齢入居に拒否感を感じているものかと思っていました。

拒否感がないというより、やむを得ないのか

現実には、もちろん大家さんとしては若い入居者に入ってもらうに越したことはないんだと思います。けれど、そうはいっても部屋を埋めるためにはそんな事ばかり言ってられない、というのが実情かなと思います。

また、調査によれば、高齢者の入居に拒否感を感じる大家さんが60%に対して、現実に制限を設けているのが14%前後です。つまり、その差の46%くらいは制限をかけたくてもかけることができないというわけですね。

その理由は色々あると思います。例えば、地域にそもそも若者が少なかったり、競合物件が多かったり、物件の競争力が低かったり。

結局のところ、入居者を選んでられるほど、大家さん側に必ずしも余裕があるわけではないわけです。

将来はさらに大家さんに逆風

さらに、将来を考えれば、大家さんにはより厳しい環境が待っていると思います。

まず、日本においては将来人口がほぼ確実に減少することが予想されています。

人口減少 ⇨ 需要縮小

一方で、新規住宅は依然として開発され続けています。

住宅の新規開発 ⇨ 供給過剰

需要が減るのに供給は減らず、おまけに、現在においてもすでに空き家が社会問題になっています。

さて、こうした需給バランスの中、高齢化社会が到来します。すると、賃貸住宅を借りる客層も、高齢者の割合が増加してきますね。

そんな環境で、高齢者の入居は嫌だなんて、言ってられなくなるかもしれません。

賃貸派にとってはあまり問題にはならない?

数十年も先のことを正確に予測することはできませんが、現状で見られる動向から推測するに、賃貸派はそれほど老後に心配する必要は無いんじゃないかと思います。

需給バランスから考えて、むしろ借りる側の方が交渉力が強くなる可能性があるためです。

大家さんの70%超が心配する家賃の未払いについても、家賃保証が今後より一般化してくる可能性もありますし。

居室内での事故については、これは大家さんにとってはちょっと悩ましい問題ですけどね。でも、高齢者NGと言ってられるほど、入居者を選ぶことはできないのではないかと思います。

まぁ、いずれにせよ、賃貸派の利点は状況に対する柔軟性ですから、いざとなったら親の家を継ぐなり地方の安い中古物件を買うなりと、機動的な対応ができるだけの備えはしておくことが重要かと思います。