日本語の「民泊」を英語にすると、どのような表現になるでしょうか。
民泊という概念自体、最近できた新しいものですので、英語での表現方法に人によって若干の相違がみられます。
しかし、元々、民泊と似たような滞在施設の形態は英語圏において従来より存在していました。
例えば、リゾート地における貸し別荘。別荘のオーナーが一時的に滞在者へ別荘を貸し出す施設運用の方法ですが、これは従来より「Vacation Rental」と言われ一般的に利用されてきました。
民泊はこれに似ていますね。よって、民泊も英語で表現するときには一般的にこの表現が使われています。
答え:Vacation Rental(バケーション・レンタル)
特にAirbnb等の米国系の大手サービスでも上記の呼称が一般的となりつつありますので、欧州を含めた事実上のグローバルスタンダードになっているといえるでしょう。
ただし実際には、貸し別荘があるシーズン通しての比較的長期のレンタルなのに対して、民泊は数日から一週間程度の短期のレンタルが多いです。
このため、民泊についてはこの期間特性を考慮して、Short Term Rental (略称で STR)といわれる場合もあります。
どちらでも通じますが、「分かり易さ」と「覚えやすさ」から考えれば、少なくとも自分から発話するときには Vacation Rental に統一してしまった方が良いと思います。
例文・用例
しかし、現実問題として、「どんな場面で英語で民泊と言うのか」によって、単純に普通名詞としての Vacation Rental だけではしっくりこないケースもありえます。
例えば、動詞的に使いたい場合。「民泊する」とか言いたい場合にはどういう表現をすれば良いのでしょうか?
まずもって「民泊する」という日本語自体が、民泊に「宿泊する」のか、民泊を「運営する」のか曖昧ですけど、ここでは両方とも考えてみましょう。
私の提案は、以下の通りです。
民泊に宿泊する
I stay at a vacation rental.
「滞在する」を意味する「stay」を用いた比較的シンプルな英文です。
ホテルなんかでもそうですが、宿泊系のサービスを利用するときの英語の動詞は、だいたい「stay」を使っておけば間違いありません。
前置詞はちょっと厄介者ですね。まぁこれも、施設や部屋を利用しているときはとりあえず「at」を使っておけば無難です。
「in」はもう少し広い範囲のときに使いますからね。都市とか国とか。
でも別に「in」を使ったところで、意味が通じないなんてことは起こりえないから大丈夫です。ていうか、どっちでも言いたいことは 100%通じます。神経質になる必要は全くありません。
なんなら、前置詞を省略したって通じます。文法的に多少の間違いがあろうが、通じる英語こそ正義なのです。
民泊を運営する
では、事業者側の視点ではどうでしょうか。最高にシンプルなのはこれではないでしょうか。
I do vacation rental.
スタイリッシュな表現とは言いがたいかもしれません。「operate」とか「manage」とか使っても良さそうに思えますし、他にももっとこなれた表現のバリエーションはあると思います。
でも、いいんです。「do」で。
Googleで上記の例文を ” ” (カッコ) 付きで検索してみれば分かりますけど、英語圏のサイトで一致する表現がいっぱい出てきます。つまり、実際にこれで通じています。
Google検索:”I+do+vacation+rental”
個人的に、「do + 名詞」は最強に汎用性の高い英語表現だと思っています。特に日本人にとっては。
まぁ、英語なんて、通じれば適当でいいんです。
そもそも、民泊を運営する人の本分はスマートな英語を喋ることではないですからね。宿泊者への最高のおもてなしとホスピタリティのサービスこそが、民泊運営に期待されている要素なわけです。
外国人旅行客からしてみれば、海外で言葉のギャップを感じることだって、旅行におけるエンターテインメントのひとつです。
そう思いませんか?
「言葉の壁はあるけど、とても温かく迎えてくれた」という異文化交流の体験こそ、実は民泊利用者が一番求めている価値観かもしれません。
完璧でスキの無いサービスを求める人は、そもそも民泊なんて選ばすに、4つ星以上のグローバルブランドのホテルを利用するでしょうからね。
そういう意味では、民泊を提供する側が英語を一生懸命頑張る必要はないと思います。シンプルな表現イズベストです。
注力すべきは、ゲストに最高の滞在体験を提供することに尽きます。
どんなに拙い表現であったとしても、通じる英語は正義です。大事なことなので何回も言いました。