ビットコインはバブルなのか? 仮想通貨の本質的な価値とは何なのかを真面目に考えてみた

2017年のビットコインの躍進は目覚ましいものがありました。暗号通貨市場ではこの1年間でびっくりするくらいの綺麗な価格高騰が続いてきたわけです。

株やFXでは、ここまでの一方的な展開が数ヶ月に渡って継続するのはあまり考えられないことです。

もし、2017年の1月からビットコインを持っていたら、果たして今頃どれくらいの資産になっていたのだろうかと思うと、どうしても「たられば」の話を妄想してしまいますよね。

しかし、あまりにも一方的な価格の上昇局面は、逆に多くの人を不安にさせます。すなわち、「これはバブルなのではないか?」という疑念をどうしても抱かざるを得ないのです。

そこで今回は、ビットコインをはじめとする今の仮想通貨の市場がバブルなのかを考えてみるとともに、仮想通貨の本質的な価値ってなんだろう、ということについて私なりに考察してみました。

ビットコインはバブルなのか?

バブルというのは、その対象物が本来持っている価値から大幅に乖離して価格が高騰する現象をいいます。

価格が上昇している間は別に良いんですよね。これに乗じて儲かる人もいっぱい出てきますからみんなハッピーです。

でも、バブルが何故怖いのかというと、ひとたび値崩れが起きると一気に価格が暴落するというリスクがあることです。その暴落の影響度が大きすぎて、それまで儲かっていた分を一気に吹っ飛ばしてしまうほどのものすごい損失を被ってしまう危険があるから怖いのですね。

日本では、1980年代後半から1990年代前半にかけての不動産バブルが国民的トラウマになっていると思います。

さらに過去に遡って他国まで見渡せば、オランダのチューリップバブルなんかが有名で、最近よくビットコインとの比較で話題にあがったりしますね。

チューリップ・バブルは、オランダ黄金時代のネーデルラント連邦共和国において、当時オスマン帝国からもたらされたばかりであったチューリップ球根の価格が異常に高騰し、突然に下降した期間を指す。

チューリップ・バブルのピーク時であった1637年3月には、1個当たり、熟練した職人の年収の10倍以上の価格で販売されるチューリップ球根も複数存在した。

※Wikipediaより

約400年という昔から、こういうことは現象として発生していたわけです。

さて、バブルというものが、こうしたモノの本来の価値から大幅に乖離した市場価格の上昇をいうのであれば、いまの仮想通貨市場がバブルかどうかを判断するためには、まずもって「仮想通貨の本来の価値って何よ?」という問題から考えなければなりません。

仮想通貨の本質的な価値とは?

モノの価格は、様々な要因の複合的な影響のもとで決まります。

ビットコインの価格の裏付けとして、通貨の発掘に要する電気代を根拠とする主張を聞いたことがあるかもしれません。

これはどういうことかというと、ビットコインを得るために要するコスト(費用性)に着目した考え方なのです。

経済学の理屈では、モノの価値というものは以下の3つの要素から成り立つものとされています。

  1. 費用性
  2. 市場性
  3. 収益性

これは、モノの価格の三面性と言われるものです。

価格の三面性について

簡単にご説明しておきましょう。

1.の費用性とは、そのモノを得るためにどれだけのコストがかかっているかを価格の根拠とする発想です。普通の人は取得コストよりも安い値段でモノを売りたいわけはないので、市場に出回る価格は少なくともそれ以上になるよねという考え方です。

仮想通貨の電気代根拠説はこの観点に基づいているのですね。

2.の市場性とは、そのモノが市場でいくらで売買されているかを価格の根拠とする発想です。要するに時価ですね。実際にこの価格で売れたんだからこの価格が適正だよねという発想です。

これは非常に分かりやすいのですが、マーケットが加熱しているときは正にバブルを招きやすい考え方でもあります。かつての不動産バブルなどは、まさにこの考え方が行き過ぎて発生したと言われています。

3.の収益性は、そのモノから生み出される収益を価格の根拠とする考え方です。

例えば「1年後に絶対確実に100万円を生みだすマシン」なんてものがあったとしたら、私だったら90万円くらいで買ってもいいかなと思います。だってそうすれば絶対に10万円儲かるんですから。でも、95万円で買うという人もいるかもしれませんね。極限までいくと、100万円をギリギリ下回るくらいまで買い手の価格は近づいていくかもしれません。これは結局、将来生まれるその収益を根拠としているためです。

仮想通貨はというと、いまのところそうした基準となる収益性は認められません。そりゃそうですよね、あくまで通貨ですから。株や不動産であれば、配当や賃料収入で収益が見込めるわけですが、仮想通貨にはそういうものがありません。すると、収益性の観点からは理屈上、仮想通貨の価値は0ということになります。

価格三面性で仮想通貨を論じるのはナンセンス

さて、説明したそばから否定してアレですが、私はこの価格の三面性は仮想通貨には当てはまらないと思っています^^;

仮想通貨は新しい発明ですから、その本質的な価値を探そうとした場合に、上記のような教科書的な理屈に依拠した意見が現れるのは無理もない話でしょう。

しかし、仮想通貨の価値の議論をするにあたっては、上記のようなモノの価格の三面性を根拠とする考え方は、少々見当違いだと言わざるを得ないのです。

なぜならば、仮想通貨はモノではなく、曲がりなりにも日本円やドルのような「通貨」としての役割を目指しているからです。

株や不動産は、モノの存在を裏付けとする資産ですから、上記のような価格の三面性でその価値を根拠づけることができます。

しかし、「通貨」はモノではないので、その価値の考え方もモノとは異なります。従来通りの株や不動産のような投資対象物とは考え方がそもそも異なるのです。

通貨(お金)の価値の考え方

たとえば、日本円紙幣の1万円札の価値とは何でしょうか。

仮想通貨の電気代根拠説と同じような考え方をするならば、1万円札の価値の根拠は「紙代」や「印刷代」や「輸送費用」などになるでしょうか。これだと、紙幣1枚にかかるコストは数円〜数十円になりそうですね。

でも、1万円札が持つ価値はまさか数十円程度ではないはずです。

また、お札は通常、売買されていませんから市場性という考えもふさわしくありませんし、お金はそれ単体では収益性を有するものではありません。

つまり、通貨の価値というものは、モノの価値と同じようには考えられておらず、別の観点からは価値を判断しなければならないのです。

通貨の価値を決める要因

では、あなたが1万円札に価値を見出すのは、何故でしょうか?

それは、その紙ペラを支払うことで、あなたは例えばお米を25kg分(5kg袋が税込み2,000円くらいであれば5袋分ですよね)を買うことができたり、レストランで美味しいものを食べることができたり、欲しいものを買うことができるからですね。

これを、通貨の交換価値といいます。

日本円も、ドルも、ユーロも、世界中の通貨はその国の中でそれぞれの交換価値を有しています。

そして、世の中には為替相場というものがあります。例えば、日本円と外国通貨を交換する際には、いまであればだいたい「1ドル=110円」とか「1ユーロ=135円」とかで交換できるわけですね。

これは、「アメリカで1ドルで買えるモノ」と「日本で110円で買えるモノ」がだいたい同じくらいであるために、こうした為替レートが決まってくるのです。

つまり、通貨の交換レートは、お互いの通貨で買えるモノの価値がだいたい均衡するような水準で定まることとなります。

これは、購買力平価説と言われるものです。通貨の価値を見るうえで基本的な考え方となります。

要するに通貨の価値とは、本質的にはその通貨で何が買えるのかで決まるのです。

仮想通貨(ビットコイン)の交換価値

仮想通貨の場合は、現状では、何かモノやサービスを購入するときの支払方法として利用できる機会があまり存在しません。

少しづつビットコインで支払いができるお店なども現れてきましたが、まだまだ少数派です。

また、ビットコインによる支払いができるお店でも、結局は商品の「定価」は日本円で決められていて、ビットコインはその日本円価格からの逆算で計算された価格を支払うことになるのが通常です。

つまり、ビットコインとしての独自の定価が定められているモノやサービスは、まだほとんど存在しないわけです。すべては既存通貨である日本円やドルの価値に依存しています。

ですから、実はまだ仮想通貨は独自の交換価値を持っていないわけで、単独の通貨として通用できるほど地位を確立できていない段階ということになります。

交換価値が決まれば仮想通貨(ビットコイン)の価値は定まる

今後、将来的に仮想通貨によって商品やサービスの定価が設定されるようになると、モノとの交換通貨としてのビットコインの地位が確立されるようになります。

モノやサービスと交換できない通貨に通貨としての価値はありません。その意味では、現状では仮想通貨に通貨としての価値はあまり無いというべきかもしれません。

しかし、現状はまさに仮想通貨がその信頼性を勝ち取るための過渡期です。ひとたび通貨としての信頼性を勝ち取れば、仮想通貨はその後は安定した地位を得ることができるのです。

そして、その勝ち馬に乗るためには、むしろ安定した地位を得る前に、できるだけ早い段階から参入していた方が良いと考えるからこそ、いま仮想通貨はこれだけ注目されているわけですね。

結局、バブルなのかバブルではないのか?

上記で見てきた通り、仮想通貨には現状ではモノやサービスと直接結びついた交換価値はありません。

そのため、現状はやはりバブルであると思います。本来の価値が決まっていないのに、将来性への期待だけで為替レートが上昇しているのと同じ状況ですからね。

しかし、このバブルは、実は「負ける人が出てこない」バブルである可能性があるのです。

敗者が出ないバブルとなる可能性

いま、仮想通貨は他の通貨との比較でぐんぐんと価値が上昇しています。

そして、将来性的に、仮想通貨がモノやサービスと直接しっかりと結びつけられ、独自の定価で交換されるようになったならば、通貨としての仮想通貨の価値はそこで安定することとなります。

では、将来的に仮想通貨とモノやサービスとの間に定価が設定され、直接交換されるようになった場合、その定価はどのように設定されるのでしょうか?

おそらく、その時の仮想通貨の他の通貨に対する相対的な強さで決まります。

例えば、その時の仮想通貨の価値が1BTC(ビットコイン)あたり300万円だったとしましょう。すると、その価値を基準にしてモノの定価が決まる可能性が高いといえます。

そしてその場合、高級車1台に1BTCの値段がつくかもしれません。ひとたびこのように日本円を介在しないビットコインの交換価値が設定され、それが広く通用するようになると、ビットコインは通貨としての安定的な価値を得ることとなります。

高級車1台が1BTCなら、じゃあ大型テレビは0.1BTC位で、スマホは0.01BTC位で、という風に相対的に価値が定まっていきます。

こうなると通貨としての価値が安定してきます。ここで重要なのは、ビットコインの対日本円の価値が上昇しきったところでこのように価値が固定されれば、その後は価値が落ちづらいということです。

通貨としての価値が高いまま、固定される可能性がある。これが、仮想通貨の価格の上昇が通常の資産バブルと大きく異なることなのですね。

仮想通貨は、これまでも何度も何度もバブルが崩壊して暴落すると繰り返し言われてきました。しかし、それでも上昇局面が継続しているのは、こうした仮想通貨の「通貨」としての特殊性も要因なのではないかと思っています。

結論

さて、結論として、私は仮想通貨はバブルだと思います。

ですが、従来のバブルとは異なるバブルだと思いますし、もしかしたら弾けることの無いバブルとなる可能性もあると思っています。

世の中的に、日本円やドルのような法定通貨が大量に刷られて、その価値に対する絶対的な信頼性が揺らいでいる環境下で、仮想通貨の出現は新たな価値基準を作り出す可能性を秘めた新しい現象です。

いまの仮想通貨の勢いは、上手く乗りこなせるか否かによって、この混乱が終わった後の世の中の人々の資産保有バランスを一変させてしまうほどの大きな可能性とインパクトを秘めていると思います。

分からないからといって頑なに拒絶するよりも、動向をよく注視して、その変化の波を上手く乗りこなしていきたいものです。

ちなみにですが、もし仮想通貨を買おうと考えた場合、最初慣れるまではあまり大金をかけない方が良いと思います。

私の場合は、十分に経験のない投資については、とりあえず最初は10万円という限度を決めて投資することにしています。

相場ものである以上、リスクが存在することは間違いありませんので。

そうしてまずは慣れて、いくらか勝手が分かってきたところで、予算を増やしていくのです。特に、仮想通貨のような新しい分野では、これまでの他の投資での経験が通用しないこともありますので、最初は慎重に関わっていくのが良いでしょう。

ちなみに口座は、初めてであれば国内の最も代表的な仮想通貨取引所である「ビットフライヤー」に開設しておくと良いと思います。

本人確認手続などもすごく早いのでおすすめです。

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